「今回は、3Dの字幕で200円余計に払って新宿で見て、しかもルフィも見たぞ」
「2Dの方が好きな君がなぜ3Dで見たんだい?」
「3D眼鏡を2時間以上かけ続けるのは拷問だがね。勧める人がいたから」
「その結果どうだった?」
「意外と良かった。ぬるい映像が文句ないレベルになった」
「どういうこと?」
「3D前提で映像を作っているから、2Dで見るとぬるくなるのだろう」
「じゃあ字幕は?」
「原語が耳に入るから原語のニュアンスが分かって、より楽しめたぞ。"兵器"は"The Weapon"、ファーストオーダーから見たレイは"Scavenger"だった。字幕だとレイは女などに置き換えられていたけどね。原語は"Scavenger"だった」
「じゃあ、200円余計に払ったのは?」
「外で昼飯を食べると200円ぐらいあっさり消し飛ぶので、それなら上手く時間が噛み合う新宿で見ようと思ったのだ」
「ルフィを見たって?」
「タダの宣伝だ。気にするな」
「それで今回の感想は?」
「凄く面白かったぞ」
「前回はシオシオだったのに?」
「そう。印象がカラッと変わった。同じ映画を見ているとは思えない」
「なぜ変わったの?」
「予備知識が増えたからだろうな」
「すると何が違うの?」
「最初に見た時、映画はフィンのヘルメットに血が付くところから始まった。ところが、今回はおっさんとパイロットが密談しているところから始まった。そうか、こいつらは……。様々な思わせぶりな会話の意味も分かった。先の知識があるから何を言っているのか分かる。その結果、世界観がまるで違うことが分かってきた」
「どう世界観が違うの?」
「これまでのスターウォーズ世界には、マスターとパダワンが存在する。ところが、EP7に限っては存在しない。フォースの素質は遺伝するぐらいのニュアンスだったが、EP7に限ってはフォースは血で受け継がれるものだ。そのような意味で、修業が存在しない。カイロ・レンはレイに師を持ちかけるが、レイは蹴る。そして互角に戦う。つまり、この映画は師の否定の上に成り立っている」
「それにどんな意味があるの?」
「この映画でライトセーバーを使う者は、ジェダイの血縁者。カイロ・レンの母親はレイアでその父はアナキン。レイもなんとなくレイアとの関係が臭わされている」
「フィンは? 彼は元ストームトルーパーだけどライトセーバー使ったよ?」
「そこだっ!」
「どこどこ?」
「つまり、フィンの本質は元ストームトルーパーではなく、掠われたジェダイの血縁者なのだよ」
「だから、ファーストオーダーに逆らう精神力があるわけだね」
「そうだ」
「でもさ。黒人のジェダイがいていいわけ?」
「本来クローン兵だったはずのストームトルーパーが黒人ということには違和感があるが、黒人のジェダイは違和感が無いのだよ」
「なんで?」
「アナキン3部作でヨーダの隣にいつもいたジェダイ評議会のメイス・ウィンドゥという黒人ジェダイがいたのでね。違和感は無いのだよ」
「なんてことだ」
「そういう意味で、カイロ・レンはマスクを付けてダースベイダー風に出てくるが、実は揺れ動く心がアナキン的なのだ。父親を殺すのは、命令だからではなく、子どもは親を殺すものだからだ」
「つまりなんだい?」
「思ったより濃厚に、このEP7はアナキン3部作と連動しているようだ」
オマケ §
「本当にこれ同じ映画なんだろうか」
「は?」
「という感想をEP1の時に持った。初回上映時と最近のTV放映時の印象が違いすぎる。同じようにEP7も1回目と2回目の印象が違いすぎる。修正が入っている可能性は無いのだろうか……と思ってしまったよ。ははは」
「本当か?」
「さあ、知らないよ。そこまで具体的には覚えていない」